肩こりは漢方で改善できる? おすすめ漢方薬7選

肩、こっていますか? デスクワークでパソコンを使ったり、スマホを日常的に使ったり、肩がこりやすい日常生活を送っている人は多いものです。

育児中の母親の中には、長時間の子どもの抱っこが原因で常に肩こりを抱えている人もいるでしょう。ひどくなりすぎると、肩だけではなく頭痛がしてきてしまうこともある肩こり。つらいですよね。

そんな肩こりに効果がある漢方薬があることをご存知でしょうか。今回は、さまざまな原因を持つ肩こりに作用する漢方薬をご紹介します。

原因は多種多様! 肩こりってなんで起こるの?

「肩こり」とひとことでいわれることが多いですが、実際に肩こりとはどういう状態のことを指すのかご存知でしょうか。

肩こりとは、肩から首、背中あたりまでがこわばり、痛みを覚える状態のこと。重度になれば腕にまで痛みやだるさが現れることもあります。

主な原因は、筋肉の血行不良。筋肉が疲労により固まってしまい、その緊張のせいで血流が悪くなることで肩こりが起こるとされています。

ただ、肩こりの原因は筋肉不良による血行不良だけではありません。女性であれば、生理サイクルにおけるホルモンバランスが原因となって、肩こりが起こりやすくなることも。

また、気をつけなければならない肩こりも存在しています。以下のような症状がみられるときは、頚椎や内臓の病気が潜んでいる可能性があるため、病院へ一度受診しておきましょう。

・痛みがだんだん強くなる
・首から肩へ痛みが走る
・腕に力が入らない
・手の感覚が鈍い
・胸や腰、背中の痛みがともなっている
・寝ていても痛い

重大な病気が原因ではない肩こりの場合は、ストレッチなど筋肉をほぐすことが解消方法として挙げられます。

血流の悪化にはメンタルが原因となっていることも多いもの。漢方薬では、心身全体を診て合うものを処方します。

肩こりに力を発揮する漢方薬7選!

肩こりに効果を持つとされている漢方薬を7種類ご紹介します。

・冠心逐瘀丹(かんしんちくおたん)

元々は心臓に関する漢方薬ですが、肩こりの原因とされている瘀血を取り除く生薬構成となっており、血管拡張と血行促進の作用を持っています。特に丹参製剤として最近は有名な漢方薬です。また、身体も温める効果もありますので飲む温泉とも言われることもあります。肩こりのみならず、高血圧や高血圧の傾向にある方の頭痛などの付随症状にもおすすめです。

副作用:身体が日常的にほてる方、暑がりの方は症状を悪化させる恐れがあります。その場合は丹参製剤ではありませんが、冠脉通塞丸がおすすめとなります。

・冠脉通塞丸(かんみゃくつうそくがん)

気の滞り(気滞)がある方で主に胸部の気の流れを改善して瘀血を改善する漢方薬ではありますが、肩こりなど瘀血が原因とされる症状の治療にも用いられています。動悸がある方や目の下にクマができやすい方におすすめです。

副作用:下痢や軟便がある方や胃腸が弱い方は注意が必要です。

・葛根湯(かっこんとう)

葛根湯という名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。風邪の引きはじめによいとされている漢方です。実際に日常的に飲んだことがある方もいるでしょう。

この葛根湯、実は肩こりの人にも処方される漢方薬のひとつなのです。葛根湯には体を温める作用があるので、こわばってしまったうなじや背中の緊張をほぐし、症状をやわらげられます。

特にうなじの緊張が強いような肩こりや、急性的に起こる肩こりに効果を強く発揮します。体力がある人に適した漢方薬です。

副作用:生薬のひとつ「麻黄」には、不眠、頻尿、動悸、血圧上昇といった副作用があります。心臓病を抱えている人や高齢者への処方には注意が必要です。

・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

柴胡桂枝湯は、精神的ストレスが強い人に処方されることがある漢方薬です。含まれる生薬のひとつ「桂皮」には、「気」を巡らせる効果があるとされています。

肩こりのほかの症状として、のぼせ・口の苦み・肋骨の下の痛みや不快感などが見られることがあります。

体力が比較的ない人に適している漢方薬です。

副作用:下痢や膀胱炎のような症状が出ることがあります。間質性肺炎・肝機能障害を抱えている人への処方には注意が必要です。

・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

桂枝加朮附湯は、体力がなく、冷え症を抱えている人に適している漢方薬です。冷えにより肩こりが悪化するような人に処方されます。生薬のひとつ「附子」が持つ、体を温めて痛みを取る作用が肩こりを改善してくれるのです。

体力がある人や暑がりの人には不適切だとされています。

副作用:「附子」が持つ副作用として、心悸亢進(しんきこうしん:心臓の鼓動が早まること)、のぼせ、舌のしびれなどが起こることがあります。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、「産婦人科の三大漢方薬」ともいわれている漢方です。肩こりに悩まされている女性にも多く用いられています。肩こりには月経異常や更年期障害と関連しているものもあるのです。痩せ型で体力がない人に適しています。

副作用:胃腸が弱い人は嘔吐、腹痛、下痢を起こすことがあります。

・二朮湯(にじゅつとう)

二朮湯は、五十肩と呼ばれる、腕が上がらなくなる症状の人に用いられる漢方薬です。適しているのは体力が中程度ある人。

副作用:まれにではありますが、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸といった副作用が起こることがあります。

生活習慣の改善+適切な漢方薬の利用で肩こりを解消しよう

漢方薬は効果がゆるやかだというイメージがありますが、薬であることには変わりがありません。紹介の項目でもご紹介した通り、中には副作用が起こりうるものもあるため、注意が必要です。漢方に対応している病院で診察を受けて処方してもらうことが、もっとも確実な方法です。

ストレッチなど、適度な運動をし、心身ともにリラックスすることも肩こりの解消には有効です。合わせて適切な漢方薬を利用して、つらい肩こりを改善させましょう。

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